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研究室

応用植物工学研究室

Applied Plant Engineering



スタッフ

  • 准教授

    高原 美規

    応用植物工学研究室

研究内容

応用植物工学研究室は、植物バイオテクノロジー=植物を材料とした「細胞工学+遺伝子工学」の応用により、植物を人間の役に立つように改良し利用することを目的として研究を進めています。植物の持つ形質の評価、遺伝的背景の解析、また優良種苗の増殖法や、新形質の導入、さらに農作物以外の植物の利用法の開発など、植物の品種改良に限らず、植物の形態形成機構の解明、野生植物の進化生態学的解析などの基礎研究から、建物緑化資材の生産などの応用研究まで、遺伝子から細胞・組織、個体に至る様々なレベルで、植物科学全般を対象に研究を進めています。

1. ニンジン子葉からの高頻度不定胚形成系の解析

植物の培養組織からの個体再生系は、最適条件を試行錯誤により検討することで確立されて来ましたが、細胞工学的手法の応用の制限要因となることも多くなっています。ニンジン子葉からの不定胚形成系を材料に、胚発生が開始される時の遺伝子発現を解析することで、胚発生が始まる要件を明らかにすることを目指しています。

 

2. 複合種ニガナの進化生態学的解析

ニガナはIxeridium dentatumという1つの学名の下に、形態的に区別できる5亜種2変種4品種とType系統を合わせて12の分類群がまとめられた複合種です。その多くが3倍体でアポミクシスにより単為生殖を行うため、交配による系統解析ができず、種内の系統関係が明らかにされていません。そこで、野生集団からDNA試料を採取し、分子生物学的手法で系統解析を行うことで進化の道筋を明らかにすることを目的としています。

3. コケ原糸体培養による建物緑化資材の開発

近年、ヒートアイランド現象の進展により、都市部で不快猛暑の発生頻度が高くなっています。緑地確保の難しい都市部で、コンクリート建物などの蓄熱が原因の一つですが、建物緑化により蓄熱を緩和するためにコケを使った緑化資材が使われる様になって来ています。しかし、コケ(茎葉体)は成長が遅いため、十分な資材供給が困難な状況です。一方で、原糸体段階のコケは成長が速いため、原糸体でコケを大量培養し、そこから緑化資材を生産する応用研究を行っている。

 

4. 青花色大輪整形花コチョウランの作出

コチョウランは培養による種子繁殖およびクローン苗生産により、急速に品種の展開と価格低下が進行した園芸花卉です。育種の進んだコチョウランは大輪整形花として、白、ピンク、黄色などの花色のものがありますが、青花色系は原種段階の変種は存在するのですが、大輪整形花の品種はまだありません。青花色の原種の遺伝子解析を行い、大輪整形花の系統を直接形質転換することで、コチョウランでの青花色大輪整形花の作出を試みています。