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研究室

表面・界面化学研究室

Surface and Interface Chemistry



スタッフ

  • 准教授

    船津 麻美

    表面・界面化学研究室

研究内容

ナノシートと呼ばれる極薄二次元材料を研究対象とし新しい材料の提案を目指しています。ナノシートとは、約1nm程度の厚さに特徴を持ち、他材料群とは異なり表面のみからなる材料とも言えます。よってこの材料にしか見られない新規特性を示すことも明らになりつつあり、多方面での活用が期待されています。

 私達は、この材料の特徴である表面や界面といった面からの研究を深め、新しい材料の創出及び機能発現へ繋げていきます。

1. 層状化合物から展開した新規無機ナノシートの開発

ナノシートは、その厚さ方向が約1ナノメートル(分子一層程度)に対して横方向にはその数百倍以上のサイズ(数マイクロメートル程度)をもつ2次元ナノ材料です。このナノシートの合成方法には、一般的に、トップダウン法とボトムアップ法の2種類の方法があげられます。私達は、中でもトップダウン法である層状化合物を剥離することにより新しいナノシートを生み出しています。特に、様々な遷移金属ならびに希土類金属からなる酸化物,水酸化物を利用し、新しいナノシートを提案し,更に、組成や構造に由来したナノシート特有の特性評価を実施しています。

Figure 1. ナノシートのイメージ


Figure 2. ナノシートの作製法
左図:母体である層状化合物 右図:剥離後のナノシート

2. 剥離メカニズムの解明

層状化合物の剥離手法は物理剥離と化学剥離に大別され、私達は、層状金属酸化物などの層のインターカレーション反応性を利用し層間隔を拡大させ剥離を行う方法に注目しています。この方法は、原理的には結晶内すべての層間において均一に反応が進行するため単層ナノシートを高収率に得ることが可能です。しかしながら、母体の層状化合物の組成や構造の多様性に富んでおり、剥離メカニズムの詳細については解明されていないのが現状です。よって、私達はこの剥離という過程の謎を追求すべく、研究を進めています。

3. 表面・界面に関する材料の機能化検討

ナノシート材料と中心に、表面・界面というキーワードを意識した材料の機能化や応用化を検討しています。例えば、ナノシートは多くの興味深い報告がありますが、比較的新しい材料群であるため、その活用例(実用化例)が少ないという弱点があります。よって、活用方法を生み出すことと目標とし、昨今の技術/環境問題の場や様々な市場の調査から、大量合成、応用・評価までといった一連の手法の構築を目指し進めております。

 

Figure 3. 今後の研究展開イメージ