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研究室

エネルギー材料科学研究室

Materials Science for Energy



スタッフ

  • 准教授

    白仁田 沙代子

    エネルギー材料科学研究室

研究内容

私たちの研究室では、エネルギー社会に貢献できる材料研究を行っています。化学エネルギーを電気エネルギーとして取り出すことができるデバイスとして、燃料電池やリチウムイオン二次電池などがあります。これらのデバイスは様々な材料から構成されており、さらなる性能向上やさらなる普及にはデバイスとしての評価と材料としての評価が重要になってきます。そのために、現在は以下の項目について研究を進めています。

1. 高耐食性ステンレス鋼の開発

燃料電池のセパレータ材料やリチウムイオン二次電池の集電体材料は高導電性と高耐食性が必要です。そこで、私たちの研究室では、窒素熱処理(写真1)や反応性スパッタリングを利用した表面処理を施すことによって、既存のステンレス鋼の耐食性の向上を目指した研究を行っています。耐食性は電気化学測定により評価しており、表面処理したステンレス鋼のキャラクタリゼーションは研究室内の装置や大学内の装置を用いて行っています。これまでに既存のステンレス鋼よりも腐食電流が1/20以下になる材料開発に成功しています。

 

窒素熱処理を施す赤外線加熱炉(写真1)

2. リチウムイオン二次電池の長寿命化

リチウムイオン二次電池は皆さんの身の回りのスマートフォンやゲーム機器に内蔵されている電池です。寒いと電池の減りが早いと思ったことはありませんか?これらの機器はいろんな環境で使われることが増えています。そこで、私たちの研究室では、作動温度領域外における熱的安定性や安全性を走査型断熱式熱量計(写真2)を用いて、熱暴走試験などを行うことによって調査しています。この調査結果を基に、電池の性能低下のメカニズム解析を行い、さらなるリチウムイオン二次電池の長寿命化を目指して研究を行っています。

 

熱暴走試験を行う走査型断熱式熱量計(写真2)

3. リチウムイオン二次電池反応のメカニズム解析

リチウムイオン二次電池は電池内でリチウムイオンを正極から負極、負極から正極へ移動させることで、充電と放電を行っています。このリチウムイオンの移動の鍵となるのが、Solid electrolyte interface (SEI)と呼ばれる被膜です。この形成メカニズムについて未解明な部分があり、このメカニズム解析も進めています。このメカニズムが解明されると、リチウムイオン二次電池のさらなる長寿命化へ繋がります。

研究室紹介動画