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研究室

医療支援先進セラミックス研究室

Medical Supporting Advanced Ceramics Laboratory



スタッフ

  • 助教

    小松 啓志

    医療支援先進セラミックス研究室

  • 教授

    斎藤 秀俊

    医療支援先進セラミックス研究室

研究内容

本研究室は、ナノ領域の世界に踏み込んだ幅広い分野の材料の創生や制御を行ってきました。長年培った得意技を武器に医療分野でのブレイクスルーや成功体験を目指す方向へ舵を切るため、研究室名を旧「光・電子セラミックス研究室」から「医療支援先進セラミックス研究室」に改名しました。

 

①錯体原料を用いた抗菌性セラミックスコーティング

これまで、約30年間、錯体原料を用いたセラミックスコーティングを行ってきました(図1)院内感染問題を始めとする抗菌/抗ウイルス対策として高品質な抗菌性セラミックスコーティングに挑戦します。金属イオンをキレートしたエチレンジアミン四酢酸(EDTA : Ethylene Diamine Tetraacetic Acid)金属錯体溶液を素地に塗布し、酸水素炎で強熱することでセラミックス蛍光体(Ca-Al-O:Eu2+,Nd3+)を作製しました(木村徹郎,中村淳,小松啓志,齋藤秀俊,公益社団法人日本セラミックス協会 2018 年年会 (2018)1M25)。これを発展させ、酸水素炎による還元作用で抗菌性を有する金属Cu膜の合成することができました(工藤拓也,中村淳,小松啓志,齋藤秀俊,第80回応用物理学会秋季学術講演会(201920p-C310-13)。EDTA 金属錯体水溶液を原料として、その場施工が可能な金属コーティング技術を展開しています。

 

 

②セラミックスアーキテクチャを基盤とした新しい先進医療材料の創生と応用展開

大気開放型化学気相析出(CVDChemical vapor deposition)法を利用するとセラミックスのミクロ構造制御が可能になります。酸化物結晶マイクロメーター単位で制御されたウイスカー(whisker)形状構造、網目形状構造などの構造体を形成することができます(マイクロアーキテクチャーと定義)。図2は、大気開放型CVD法で作製したZnOウイスカーの電子顕微鏡像です。鋭利な先端を有するZnOウイスカー群が確認できます。これまでに研究室では電子放出素子、構造材料などいろいろな応用を発想・実現しました。この独自技術を最大限生かした新しい先進医療支援材料を提案していきます。

 

 

③先進医療を志向した無機水素放出材料の開発

これまで、約20年間、燃料電池用途にむけた廃棄物由来の水素吸蔵材料開発を行ってきました(図3)。近年、水素分子は新たな医療ガスとして注目されており、心筋梗塞、蘇生後脳症、パーキンソン病など、虚血再灌流傷害、酸化ストレスが原因となる病気に対して、臨床試験が開始されています。そこで、先進医療を志向した水素放出材料の開発を行い、水素を用いた新たなイノベーションの創造を目指しています。水素放出材料の原料には、資源として豊富でかつ人体に無害なもみ殻とアコヤガイ(炭酸カルシウム)を用います。

 

 

 

研究室紹介動画