文字サイズの変更

検索したいキーワードを入力してください

研究室

電気化学エネルギー変換材料研究室

Electrochemical Energy Conversion



スタッフ

研究内容

本研究室では,環境とエネルギーに関する教育研究を担当しています。具体的には,電気化学に重点を置き,燃料電池・二次電池・太陽電池に代表される化学エネルギーと電気エネルギーのクリーンな相互変換科学,電気化学分析法に基づいた材料の基礎および応用研究を行っています。

1. 低エネルギーで高効率なCO2還元の実現

電気エネルギーのレベリング(貯蔵と利用)技術開発は、環境負荷の無い再生可能エネルギーを私たちの生活に最大限取り込むために必要不可欠です。その最有力技術の候補にPower to Gas (P2G)があげられ,世界中がその開発にしのぎを削っています。これは,余剰電力(Power)を使って水の電気分解によりH2 (Gas)を製造する技術です。製造したH2は貯蔵して,必要な時に燃料電池発電により電気エネルギーに戻します。もし,水の電気分解よりも低消費エネルギーでCO2からメタン(CH4)やアルコールが作れたらどうなるでしょう?私たちはこのCO2還元技術が理論的に可能であり,かつ実験的にも可能であることを見出し,実用化に向けたメカニズム解析と高効率化の研究を行っています。

2. 極度環境下で使用可能なリチウムイオン二次電池

エネルギー密度が高いことで知られるリチウムイオン二次電池(LIB)は,小型軽量化が進んだことで,その用途は携帯端末から自動車・航空機・大型電力貯蔵へと大型化が進行しています。そのためLIBは,車体・機体が晒される高温と低温環境下で使用され,それに起因すると思われる何件かのトラブルが報じられています。二次電池は化学エネルギーと電気エネルギーを相互変換するデバイスで,その基になる(電気)化学反応は少なからず副反応を伴います。この副反応が高温と低温で顕著になることで,安全性と電池寿命を低下させることが懸念されていますが,詳細は明らかでありません。私たちは,この問題解決のため電気化学反応機構解析を国内外の研究機関と共同で行い,極限環境下での安全と電池寿命を高める研究をしています。

3. 有機感光体,有機ELに次ぐデバイスの開発

デジタルコピーとレーザプリンタは,有機感光体の開発により商品化されました。有機ELは,液晶を上回る高精細自発光ディスプレイとして,更なる用途展開が期待されます。この例から分かるように,有機半導体は加工の容易性を中心に発展が望まれていますが,次の展開のためには高速キャリア輸送,高効率キャリア注入,高光電変換効率を目指す要素研究が必要です。私たちは,有機分子の電気化学反応解析を基に,活性化エネルギーや反応速度の定量化を通して、各素過程を高速化,高効率化する研究を行っています。これより,低電圧駆動素子の作製を試みています。また,当研究室で開発した高速成長法で作製した単結晶の電子デバイス特性を調べています。