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研究室

機能ガラス工学研究室

Functional Glass Engineering



スタッフ

  • 准教授

    本間 剛

    機能ガラス工学研究室

研究内容

ガラスは古くから人間社会で使われ、ありふれた材料であり、今日の情報通信、産業を支える基幹材料です。ガラスは液体の構造を凍結してできた固体物質で、ナノのレベルでは不均一な構造をしていますが、巨視的には液体と同様に等方的な特徴を示す興味深い材料です。当研究室では、ガラスを再加熱することで起こる結晶化に注目しています。このようなガラスと結晶からなる複合材料は結晶化ガラスと言いますが、新たな結晶化ガラスの創製と機能性を評価しています。持続可能な循環社会の構築にブレイクスルーをもたらすような、資源・エネルギー問題に資する材料創製を目指しています

1. レアメタルフリーな二次電池材料の創製

リチウムイオン電池の発明によって、カーボンニュートラルに向けた取り組みが加速しています。しかしながらリチウムイオン電池にはリチウムやコバルトといったレアメタルが使用されています。これらのレアメタルは産地が偏在しており、今後の需要増による需給のひっ迫が懸念されています。レアメタルに依存しないような次世代電池の一つとしてナトリウムイオン電池が研究されています。当研究室では鉄リン酸塩系二次電池正極材料をガラス結晶化法という新規な手法で開発に成功しました。ガラスは巨視的には均質で当方的に振る舞うので、一般的な酸化物を原料とした固相反応プロセスに比べて、短時間の熱処理で目的の結晶を合成することができます。

 

 

2. 安全で高エネルギー密度な全固体電池の開発

全固体電池は可燃性の電解液を不燃性の固体電解質で置き換えることで、高い安全性が期待される電池です。全固体電池において最も重要なことは液系電池に匹敵するイオン伝導性をどのように与えるかです。異なる材料から構成される固体同士を接合することは極めて難しいです。上記の結晶化ガラスは結晶化の過程で軟化流動を示します。我々はこの軟化流動に着目し、単純な熱処理による活物質と固体電解質の界面形成と、活物質として機能する結晶相の析出を同時に起こすことができました。この技術により、世界初となる酸化物系全固体ナトリウムイオン電池の試作と低温駆動に産学連携で成功しました。酸化物でしか確認できない電気化学反応を評価することができ、これまでにない電池を創出できると期待されます。

 


世界初となる0℃で駆動する全固体ナトリウムイオン電池

 

3. IT、ロボティクスを活用した材料およびデバイス創製

ガラスは熱履歴によって、多様な粘弾性を示す不思議な材料です。通常の電気炉による熱処理だけではなく、当研究室ではレーザープロセスによるガラスおよび結晶化ガラスの創製を進めています。レーザープロセスの特徴は、所望の場所のみを局所的に急加熱、急冷却が可能であること。また熱勾配が駆動力となって、結晶配向、準安定相の形成など、特異な結晶化を確認することができます。特に全固体電池のような複合材料では、部材同士の熱物性は大きく異なるため、レーザー照射による非平衡プロセスは効果を発揮します。レーザーはプログラム制御により多種多様な照射が可能で、ラマン顕微鏡などと組み合わせて、ハイスループット合成および評価システムによる、DX時代のものづくりを推進しています。

 

 

 

研究室紹介動画