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研究室

エネルギー変換ナノ構造材料研究室

Photoenergy Conversion Materials



スタッフ

研究内容

本研究室ではエネルギー・環境問題を解決する環境材料を開発することを目的にし、光エネルギーを化学エネルギーに変換できる光触媒に注目して研究を進めています。光触媒に光を照射すると光触媒表面で電子と正孔が生成し、それら光励起電荷により誘起される化学反応をエネルギー変換、有害物の除去に利用することが可能です。これらを利用し水を分解して水素を生成、有害物質を分解・固定できる光触媒の開発に取り組んでいます。開発の戦略として原子の組み合わせによる半導体化合物光触媒の探索のみならず、光触媒の機能を司る表面の構造をナノ領域で精緻に制御する材料設計を行っています。

1. ナノ構造制御した半導体光触媒粒子による水からの水素生成

これまで水を分解して水素を生成できる半導体光触媒の探索が40年以上に亘って行われてきました。様々な光触媒が見出されてきましたが、実用化に至るには応答波長の長波長化や量子効率を向上が求められています。本研究室では、量子効率の向上に着目し、光触媒表面のナノ構造を精緻に制御することにより、光照射によって発生する光励起電荷を効率良く水分解反応に伝達できる光触媒の開発を目指しています。これまでに水分解活性が発現しない光触媒表面にナノ領域で電子状態の異なる物質を不均一に接合させることに高い光触媒活性となることを見出しています。

 

光照射により水が分解して気泡(水素と酸素)が発生する様子

2. デバイス型ナノ構造薄膜光触媒の開発

光触媒機能を高めるには光照射によって生成する電子と正孔の再結合を抑制し、生成した光励起電荷を速やかに化学反応に利用する工夫が必要です。光励起電荷を分離できる構造を作製するために、薄膜光触媒に着目し、その表面に電荷分離を促進する構造をナノ領域で形成することを行っています。多結晶薄膜上にナノドメンイオン構造を形成させ、その界面での電荷分離効果を調べるとともに光触媒活性との関連を調べています。

 

ナノ構造を持つ半導体光触媒粒子の電子顕微鏡写真

3. 光触媒作用を用いた高機能吸着材の開発

環境中に存在する重金属イオンは微量であっても人体に蓄積され、健康被害を及ぼします。この重金属イオンを捕集できる吸着材料を探索するとともに、吸着捕集した重金属イオンを人為的操作により速やかに脱離させて吸着材を再利用できる仕組みが必要とされています。本研究では、光触媒と吸着材を複合化し、重金属イオンを効率良く捕集できる材料を探索するとともに、光照射により吸着捕集した重金属イオンを脱離できるハイブリット光触媒の開発を目指しています。

 

ナノドメイン構造を持つ光触媒薄膜の結晶方位解析

研究室紹介動画