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博士1年 木村 玲雄さん 日本化学会 コロイドおよび界面部会 コロイドおよび界面化学討論会 若手口頭講演賞 受賞

博士1年 木村 玲雄さん コロイドおよび界面化学討論会 若手口頭講演賞 受賞

博士後期課程 先端工学専攻・1年生の木村 玲雄さん(多賀谷基博 准教授 研究室在籍・小千谷高校出身)が、公益財団法人日本化学会 コロイドおよび界面部会の第75回コロイドおよび界面化学討論会において若手口頭講演賞を受賞しました。

 
日本セラミックス協会は、新物質、新材料、新機能素子への開発・発展につながるナノテクノロジーの基幹技術になっているセラミックスについて、無機・有機・鉱物・化学・物理・電子・土木・医療・工芸など広範な分野における情報交換の場を提供しています。本協会のうち、生体関連材料部会は生体と関連の深い材料におけるサイエンスとテクノロジーを対象としています。
 

受賞研究題目

シリカ粒子表面の微量元素イオン状態を認識した抗体タンパク質の吸着

 

受賞研究内容

非晶質シリカ粒子は生体毒性が低く食品応用などがなされていますが,タンパク質の吸着状態が未解明です.タンパク質の吸着状態を解明・制御すれば幅広いバイオ・医療応用が期待できます.しかし,従来の非晶質シリカ粒子はシラノール基密度が高いために不凍水を多く形成して,タンパク質を変性して吸着する問題がありました.そこで,本研究では,シラノール基密度の低い非晶質シリカ粒子に微量の塩素を含有させ,さらに生体液中のリン酸イオンの吸着によって特異的な表面層を形成し,塩素含有シリカ粒子の表面状態と抗体タンパク質吸着形態の関係を評価・考察しました。その結果,抗体タンパク質の高次構造を維持した立体吸着を誘起する微量塩素含有シリカ粒子の表面層の状態を見出しました.具体的に,塩素含有濃度が0.4 mol%の場合,粒子に固定された抗体タンパク質はNativeに近い立体吸着性を示しており,2次構造においても立体性の高い状態でIgGが吸着していることを見出しました。このように,非晶質シリカ粒子への微量な塩素の含有によって特異的な表面層が形成され,抗体タンパク質が立体性の高い状態で吸着する現象を見出し,これはコロイドおよび界面化学の分野において重要な知見であることから,今回の受賞に至りました。

 

 

関連リンク

益財団法人日本化学会 コロイドおよび界面部会 第75回コロイドおよび界面化学討論会のページ
ナノバイオ材料研究室(多賀谷基博 准教授)紹介ページ
ナノバイオ材料研究室(多賀谷基博 准教授)ホームページ