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学生・教職員の受賞
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修士2年 小野塚 青さん 第65回新潟生化学懇話会 奨励賞 受賞
修士2年 小野塚 青さん 第65回新潟生化学懇話会 奨励賞 受賞
修士2年(技術科学イノベーション専攻2年)小野塚 青さん(大沼清 准教授 研究室在籍・長岡高専出身)が、令和7年10月18日に長岡市のまちなかキャンパス・トモシアで開催された第65回新潟生化学懇話会において奨励賞を受賞しました。本大会では物質生物工学分野 修士2年 赤木 桃果さんも奨励賞を受賞しました(こちらに受賞報告ページ)。
新潟生化学懇話会は、新潟大学医学部の緒方規矩雄教授の呼び掛けにより1964年に開始されました。新潟県内の生化学者の交流の場として、今年で65回目の開催となる伝統ある会です。新潟大学、新潟薬科大学、長岡技術科学大学、日本歯科大学などの生化学関連研究室などが研究発表しあい、例年100名以上が参加している会です。
受賞研究題目
ゼブラフィッシュを宿主としたヒト心筋キメラモデルの構築と拍動同調性の評価
受賞研究内容
心臓病は依然として主要な死因であり、再生医療による治療法の開発が求められています。しかし、ヒトの心臓は皮膚や骨のように損傷後に再生することができず、心筋梗塞などで失われた心筋は回復しません。近年、ヒトiPS細胞から心筋細胞(hiCM)を誘導して移植する研究が進められていますが、移植細胞が生着せず脱落したり、宿主心臓と拍動が同期せず不整脈を引き起こすなどの課題が残されています。これらを克服するためには、ヒト心筋が生体内でどのように機能し、宿主組織とどのように連携するかを理解する必要があります。
本研究では、ヒトと心拍数が近く、胚が透明で操作性の高いゼブラフィッシュに着目し、ヒトiPS細胞由来心筋を移植した「ヒト-ゼブラフィッシュ心筋キメラモデル」を構築しました。受精後48時間のゼブラフィッシュ胚に蛍光カルシウムセンサーを導入したhiCMを移植し、カルシウムイメージングにより拍動を可視化したところ、移植から24時間以内にヒト心筋の拍動が宿主心臓と同期することを確認しました。
この結果は、異種環境下でもヒト心筋が電気的連携(ギャップ結合)を形成しうることを示しています。本モデルは、薬剤応答性の解析や再生促進因子の探索など、心臓再生医療研究の新たなプラットフォームとしての応用が期待されます。
