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博士3年 加藤 諒さん 環境バイオテクノロジー学会 優秀ポスター賞 受賞

博士3年 加藤 諒さん 環境バイオテクノロジー学会 優秀ポスター賞 受賞

社会環境・生物機能工学分野 博士後期課程3年生の加藤 諒さん(微生物代謝工学研究室在籍・横浜商科大学高校出身)が、令和6年5月30日~5月31日に宮崎県宮崎市にて開催された環境バイオテクノロジー学会2024年度大会にて優秀ポスター賞を受賞しました。 
環境バイオテクノロジー学会は、1999年に設立され、約30年にわたり環境バイオテクノロジー分野の牽引役として世界的に多くの成果を発信してきました。本学会は、バイオレメディエーションからバイオマスからのクリーンバイオプロダクションまで、文明の発展と共に生じた広範囲な環境問題に対処するために、研究者と技術者が結集し相互に研究や開発の情報を交換することを趣旨としています。
 

受賞研究題目

細菌におけるリグニン由来二量体芳香族化合物の代謝制御システムの解明と物質生産への応用

 

受賞研究内容

脱炭素社会の構築に向けてバクテリアの代謝能を利用し、植物細胞壁の主要成分であるリグニンからのポリマー原料化合物生産系の開発が進められています。Sphingobium lignivorans SYK-6株は、様々なリグニン由来芳香族化合物を分解し、機能性ポリマーの原料である2-ピロン-4,6-ジカルボン酸 (PDC)を生産可能です。私達はSYK-6株において、リグニン中の主要な分子間結合であるβ-O-4結合及び難分解性のβ-1結合を持つ二量体化合物の代謝系を解明してきました。最近、これら二量体化合物の代謝系遺伝子を包括的に負に制御する転写制御因子LigSを発見し、その転写制御システムを明らかにしました。本研究では、LigSによる転写制御メカニズムの解明における大きな課題であった、転写抑制解除の分子駆動の引き金となるエフェクター分子の同定に取り組みました。芳香族化合物から有機酸まで試行錯誤を重ねた末に、リグニン由来の芳香族オリゴマーやモノマーが混合する木材パルプ廃液 (黒液)中にエフェクター分子が含まれることを見出しました。加えて、PDC生産株のligS遺伝子を欠失させることにより、β-O-4及びβ-1型の二量体化合物からのPDC生産速度を1.6–6.0倍に向上させることを明らかにしました。
 

 

関連リンク

環境バイオテクノロジー学会のホームページ
微生物代謝工学研究室(政井 教授、上村 准教授、藤田 助教)紹介ページ
微生物代謝工学研究室(政井 教授、上村 准教授、藤田 助教)ホームページ