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修士学生 岸本悠吾さん公表論文が第21回 分析化学 若手初論文賞を受賞

修士学生 岸本悠吾さん公表論文が第21回 分析化学 若手初論文賞を受賞

環境ナノ材料研究室(高橋 由紀子 准教授)に在籍していた修士課程学生 岸本悠吾さんが2021年1月(修士2年時に執筆)投稿した論文が第21回「分析化学」若手初論文賞を受賞しました。「分析化学」は日本分析化学会から発行されている論文誌です。
「分析化学」では、定期的に「若手研究者の初論文特集」 という卒研生、修士・博士課程院生並びに若手研究者を主な対象とした特集をくんでいます。本特集では、優れた初投稿論文の筆頭著者に対して「分析化学」若手初論文賞を授与しています。2021年度の受賞対象として岸本悠吾さん・高橋 由紀子 准教授らの研究論文が選ばれました。

受賞研究題目

マンガンエアロゾルの現場分析を目指したナノ薄膜試験紙の開発

「分析化学」第70 巻第7・8 号,443 ─ 449 ページ

第21回 分析化学 若手初論文賞の受賞記事は以下URLのPDFファイルから閲覧いただけます。
https://msb.nagaokaut.ac.jp/wp-content/uploads/2022/04/Bunseki04_Wakate.pdf

論文要旨

作業環境中のマイクロメートルサイズのマンガン微粒子を対象として,金属含有エアロゾル微粒子の現場分析を目指した前処理と検出を同時に行う試験紙を提案する.Mn2+イオン用の比色試薬2-(3,5-ジブロモ-2-ピリジルアゾ)-5-(ジエチルアミノ)フェノール(2-(3,5-dibromo-2-pyridylazo)-5-(diethylamino)phenol,3,5-diBr-PADAP)をナノ粒子化し薄膜としてメンブレンフィルター表面に保持させた膜を基にして,pH緩衝成分である0.05 mol L−1ホウ砂を含んだ3 wt% ゼラチンゲルをメンブレンフィルター全体に含侵させ,さらに酸化マンガン微粒子を還元溶解しMn2+とするための0.1 mol L−1 L-アスコルビン酸を含んだ5 wt% ゼラチンゲルを3,5-diBr-PADAPナノ粒子薄膜層の上からコーティングした.マンガンエアロゾルの再現は困難であるため,平均粒径が約1 μmのMn3O4微粒子を約2.3 μmのベーマイト微粒子を用いて任意の割合で希釈した混合粉体をメンブレンフィルターに接触させることで試験紙を評価した.この方法で検量線を作成したところ,マンガン微粒子の割合の増加に伴い,オレンジ色から紫色へ変色し,変化が最も鋭敏に現れたL*a*b*表色系のb*で検量線を作成したところ,濃度に対して指数関数的に減少し,検出下限0.02 μg cm−2,定量範囲は0.08〜約1.2 μg cm−2であった.

 

関連リンク

環境ナノ材料研究室(高橋 由紀子 准教授)
研究論文掲載ページ(マンガンエアロゾルの現場分析を目指したナノ薄膜試験紙の開発)
分析化学誌ホームページ