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博士1年 財津 奏太さん 日本ビタミン学会 優秀発表賞受賞

博士1年 財津 奏太さん 日本ビタミン学会 優秀発表賞受賞

先端工学専攻・博士後期課程1年生の財津 奏太さん(環境生物化学研究室在籍・小山高専出身)が、令和5年6月17-18日に東北大学にて開催された日本ビタミン学会第75 回大会にて学生優秀発表賞を受賞しました。
 
日本ビタミン学会は、1949年5月に設立され、ビタミン学に特化して発展してきた学会です。13種類存在するビタミンに加えて、ビタミン類似の作用を持つ生理活性物質をバイオファクターを取り扱う領域について、医学、薬学、農学、工学、理学、生活科学など極めて広い範囲の研究者が、年次大会や学会誌「ビタミン」を通して研究成果の発表や情報交換を行っています。ビタミンの機能の解明は、健康増進や予防医学の出発点であり、日本ビタミン学会は「ビタミン学の進歩、発展に貢献し、もって国民の健康増進に寄与する」をモットーに活発に活動しされています。
 

受賞研究題目

サブユニット間 SS 結合の導入による酵母 D-アスパラギン酸オキシダーゼの耐熱化

 

受賞研究内容

近年,ヒトにおいてD-アスパラギン酸(D-Asp)が脳内神経伝達物質として機能し,統合失調症などの精神神経疾患に関係することが示されたことから,D-Aspの検出・定量法が重要となっています.環境生物化学研究室では,酵母Cryptococcus humicola UJ1株にD-Aspに対して高い特異性と触媒活性を示すD-アスパラギン酸オキシダーゼ(ChDDO)を見いだし,ChDDOを用いたD-Asp検出・定量法を開発してきました.しかし,ChDDOの安定性が低いことから,その応用利用が制限されていました.そこで私はChDDOのサブユニット間にSS結合を導入することでChDDOの安定化を検討しました.ChDDOの結晶構造データをもとに, In silico解析でシステイン残基(Cys)導入部位を決定し, ChDDOに2つのCys残基を導入したところ,著しい耐熱性の上昇が確認できました.Cys残基が導入されたChDDOのサブユニット間における共有結合が示唆され,またSS結合還元剤処理により安定性が著しく低下したことから,サブユニット間におけるSS結合形成が示唆されました.一方, ChDDOのD-Aspに対する高い特異性と触媒活性は保持されていました.本研究において,ChDDOのD-Aspの検出・定量に有用な性質を保持させたまま安定性を著しく増加させることに成功しました.
 

 

関連リンク

日本ビタミン学会第75 回大会 学生優秀発表賞受賞者のお知らせのページ
環境生物化学研究室(高橋祥司 教授)紹介ページ
環境生物化学研究室(高橋祥司 教授)ホームページ